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株式会社トミーウォーカーのPBW、シルバーレインに存在する高校生のヴェスティア・ヴァンハイトのキャラブログです。 尚、此処に飾られる使用権は作品を発注した此方に。全ての著作権は作成したクリエーター様に、権利はトミーウォーカーが所有します。 無断転載した場合、然るべき処置をとらせて頂きます。 また此処に書かれるSSに関しても無断転載なさらないよう、お願い致します
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記憶は深い水底へ

確信へと繋がるその扉の鍵は‥‥

とんでもない形で開くのだった‥‥


 

気が付けば、そこは自分の部屋だった

何も無い、暗い部屋

自分はどれくらい眠っていたのだろう?

普通はきっとそんな事を考えるはず

でも‥‥

そんな思いは脳裏の片隅にもなかった‥‥

 

「‥‥お父様‥‥」

『ヴェスティア? 私はそんな娘、知らないんだが‥‥』

蘇る悪夢のような言葉

「‥‥お母様‥‥」

『誰よ、この子!? 近寄らないで頂戴!』

胸を突き刺す、刺のような言葉

自分は捨てられたのだ

自分には両親などいないのだと今まで言い聞かせ

記憶を心の深い闇の扉へと仕舞い込んでいたはずだったのに‥‥

思い出してしまった

悪夢のようなあの出来事も

地獄のようなあの仕打ちも

 

心が不安の底に落ちかけた時、電話が鳴った

「はい‥‥もしもし‥‥?」

『ティアかい? 大丈夫かね、倒れたと連絡が来て心配で‥‥!』

「大丈夫ですわ、お父様。私、全然平気ですもの」

『まさか、その一緒にいるという男に何かされたのではあるまいな!? もしそうであるのなら今すぐ日本に行ってその男を討ち取ってくれる!』

電話越しで勢いよくそうまくし立てる男の声

懐かしい声

そうだ

自分の父は、この声の主なんだ‥‥

「お父様」

『どうした、ティア?』

「私のお父様は、お父様だけですわ」

『‥‥ティア?』

「例えほかにお父様がいたとしても、それはお父様じゃありませんから」

『‥‥うむ。ティアは私の娘だ。それだけは胸を張って言えるぞ?』

『父さん! ティアに電話してるんだったら俺にも電話を!』

 

電話の向こうから聞こえてくる賑やかな怒鳴り声

懐かしい。兄の声だ。

自分の事を理解してくれる優しい兄の声‥‥

『ティア、元気だったか? 怪我とか病気とかしてないか? 最近連絡くれなかったろ?』

「ごめんなさい、兄様。でももう平気ですわ。しっかりとしていますもの」

『そうか、そりゃよかった。今度そっちに遊びにいくよ。その時はよろしくな?』

「はい、お仕事さえなければですけれど」

『おい、ジーク! いい加減に電話をかえさんか!』

『ティア、そろそろ疲れたろ? ゆっくり休みなよ』

 

何時も兄は優しかった

自分にどんなことがあっても必ず助けてくれて

必ず優しい言葉をかけてくれる

そんな兄がとても頼もしくもあり

そんな兄がとても邪魔でもあったかも知れない

「ありがとう。それでは、また連絡しますね‥‥」

 

電話を切って思う事はただ一つ

 

「‥‥もうこんな記憶なんかいらない‥‥もうこんな記憶なんか消してしまいたい‥‥!」

何時も笑顔でいた

でもそれも限界だった

優しい兄と義父の声

残酷な父と母の声

 

両方に苛まれながら

部屋で一人泣きじゃくる‥‥

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