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株式会社トミーウォーカーのPBW、シルバーレインに存在する高校生のヴェスティア・ヴァンハイトのキャラブログです。 尚、此処に飾られる使用権は作品を発注した此方に。全ての著作権は作成したクリエーター様に、権利はトミーウォーカーが所有します。 無断転載した場合、然るべき処置をとらせて頂きます。 また此処に書かれるSSに関しても無断転載なさらないよう、お願い致します
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プレイングだけとなってますわ
鬼依頼のプレイングですけれど
こういう形になりますわ
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そう言えばもうすぐ卒業の季節ですわね
私も卒業、という事になりますわ

卒業すれば道は二つ

一つは能力者を引退する
もう一つは能力者として戦い続ける

…私が選択した道は後者ですわ
愛する人はまだ戦いつづけねばならないというのに
私だけ平穏に過ごすという事は出来ません
寧ろ耐えがたい苦痛です

ですから私は戦います
専業主婦になろうとも、ですわ


戦うしかヴァンハイト家存続の道もないという意味もあります
この力が
誰かの役に立つのでしたらば、私は喜んで……



ヴァンハイト家の屋敷
その屋敷のリビングには重苦しい空気が流れていた
向かい合ったソファーには金髪の少年の姿と銀髪の男の姿
そしてその向かいには彼女、ティアの姿があった

「…どうして此方にいらっしゃいましたの?」

「新しい年は家族で過ごす。そういう仕来りだろ?」

「どうせ真矢様をまだお認めになっていないのでしょう?ですからこうして来たのでしょう?」

ティアの問いかけに二人はギクリと体を震わせた

「分かっています。どうせお兄様がお父様を言いくるめてこっちに来て、真矢様と離れさせようとしているんでしょう?」

「違う、誤解だって!」

「ではどうして重症の真矢様の看病をする時、引きとめましたの!?」

そう、彼女はつい先日怪我をした彼の手当てをしようとした所
父に止められ、ムカムカしていたのだ
そのムカツキを表に出している。珍しいぐらいに

「ティア、分かっておくれ。わし達はお前が心配で心配で…!」

「心配してくれるのは有り難い事です。それは感謝致します。それでも私は真矢様がいいんです。真矢様でないといけないんです!」

「………ティア。本気なんだな?」

「私は本気です。何れ彼の妻となり、子を授かりたいとも」

「…ヴァンハイトの後継ぎはどうするつもりだ?元々ヴァンハイト家は魔女の血筋で代々女性が当主となる」

「それは…」

「わしが引き継いでいるのは特別な許しを得ておるからだ。わしが死んだら誰が当主に?」

「お兄様ではダメなのでしょうか?」

「俺は魔女らしい力は受け継いでないし」

それもそのはずだ
今やヴァンハイトの生き残りはティア一人だけ
今の当主であるこの父が死ねば
自動的に引き継ぐ形になってしまう


「真矢様といられるのなら家でも何でも受け継ぎます。ですからお父様、どうか真矢様のこと…」

「……分かった、しかし条件がある」

「条件、ですか?」

「一つ。ティアを泣かせないと約束すること。二つ。孫が出来たらすぐ見せに来る事。三つ。わしのティアにあまりべったりしないことじゃ!」

………
暫しの沈黙の後、ティアがテーブルをバンッと叩いた

「お父様、それは過保護過ぎですわ!それに気が早すぎます!」

「わしの大事で可愛い娘をやるからには当然であってだな!」

「大体、婚約のお許しだってまだいただけてません!」

「条件を飲めばいい、婿になれといってるわけではないだけマシだろう?」




こうして彼女達の言い争いは後1時間半も続いたという――

結局話は平行線のままでしたとさ

彼女が見るのは夕焼けに染まった戦場、神戸。
しかし彼女は前線にいる事はなかった。
体中に包帯が巻かれ、不機嫌そうにしている。
その包帯こそが原因である。

「…しくじりましたわ。あのお方の背を最後まで守りたかったですのに…」

ギリッと噛み締める音。
痛いぐらいに握られた拳。
それ程悔しかった。
とても、悔しかった。

「私の力は大切な人を護る為のもの…なのに護れずこの様だなんて…あまりにも無様ですの…」

珍しく怒っているような声色。
それは誰に対してではなく、自分に対してだろう。
…そして、そんな時に小耳に挟んだ話は…。


「………。ウソ」

信じたくはなかった。
絶対信じたくはなかった。
けれどもそれが現実で
それが真実

…誰にも変えられない事実…


「こんなにも…こんなにも無力な自分…能力者だなんて…名ばかりッ…!」



その言葉は誰にも聞かれないように呟かれ
誰にも悟られない内に消えて行く。

彼女にとって
一番辛い卒業の思い出となってしまったのかも知れない…

とても大切なあの人との証
それが今ここにある…
貴方と共に作った証は大切に…
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